JIS呼称 | 1080 | 1070 | 1050 | 1100 |
純度99.9%以上。加工や表面処理性をしやすく、耐食性はアルミ合金中最良。
強度は低いが、アルミニウムの純度が低くなるにつれて、多少高くなる。
台所用品、アルミ箔、コンデンサー、反射板、容器、電線などに用いられる。
JIS呼称 | 2011 | 2014 | 2017 | 2024 |
主な添加元素が銅で、強度が高く、機械的性質や切削性に優れている。
ジュラルミン(2017)、超ジュラルミン(2024)が代表的で、超ジュラルミンの硬度は鋼に匹敵する。
ただし、2000系の合金は、銅を多く含むので耐食性が悪く、また陽極酸化性も悪い。
5000系より強度があり切削しやすいが、素材が高いので避けられることがある。
JIS呼称 | 3003 | 3004 |
マンガンの添加により純アルミニウムの加工性、耐食性を低下させることなく、強度を少し増加させた合金。
加工しやすいので、建築用材、車両用材として用いられる他、アルミニウム缶のボディ、台所用品、電球口金などにも使用されている。
JIS呼称 | 4043 |
ケイ素(Si)を添加した材料は陽極酸化後灰色に発色する。
自然発色合金としてカーテンウォールなどの建築外装品として利用されている。
JIS呼称 | 5005 | 5052 | 5056 | 5086 | 5N01 |
アルミニウムの耐食性を落とさずに強度をあげるため、マグネシウムを多く添加した合金。
アルミニウム合金の中では、最も耐食性が良い。
加工性に優れ、陽極酸化性も良好であるので、車両、船舶、建築用材、通信機器部品、機械部品など、幅広い用途がある。
JIS呼称 | 6101 | 6063 |
強度、耐食性、陽極酸化性が良好。
代表的な合金である6063は、優れた押出性を有しているので、建築用サッシとして大量に使われている。
建築、車両、家具、家電製品などに使用。
JIS呼称 | 7075 | 7N01 |
アルミニウム合金の中でもっとも強度のある7075は、超々ジュラルミンと呼ばれる。
銅が多く添加されているため、耐食性は悪く、陽極酸化性も比較的劣る。
航空機の構造材、鉄道車両、スキーのストック、金属バットなどのスポーツ用品等に使用。
アルマイト皮膜の下部が、素材に食い込んでいることに注意 |
アルミニウムの耐食性や耐摩耗性を向上させることや、着色をして装飾することを目的として行われる表面処理を「アルマイト」と言います。アルマイトは実は商標で、陽極酸化/アノダイズとも言います。
希硫酸を電解液にしたアルマイト皮膜は、バリヤー層と無数の微細孔からなる多孔質皮膜で、最も普及している陽極酸化法です。
アルマイト皮膜は蜂の巣のような六角柱のセルの集合体で、それぞれ中心に微細な孔があるので、アルマイト皮膜は高硬度であるのに加えて吸着性が強く、容易に染色や着色を施すことができます。
着色アルマイトは、アルマイト処理後染料に浸して微細孔に染料を浸透させ着色する表面処理です。
微細孔が開いたままでは汚染物質や腐食物質も吸収してしまい、汚れやすく耐食性も十分ではないので、後処理として穴をふさぐ処理を施すことにより、耐食性、耐候性、耐汚染性を向上させます。
めっきが金属素地は何ら変化せずに電着した皮膜であるのに対して、アルマイトは素地であるアルミニウム自体が酸素と反応してできる皮膜なので、処理前の素材の位置から処理後の皮膜表面までの距離は、アルマイト皮膜の厚さとは一致しません。
さらに、通常前処理において苛性ソーダにひたして皮膜表面を洗浄するので、アルミニウムの表面が溶解して素地は減寸してしまうので、アルマイトは電気めっきと比べ、寸法精度の管理は難しいと言えます。
これらのの理由で、ほとんどのアルミ合金製部品はアルマイト処理をした後に切削、穴あけ等をするので、加工面は素材生地がむき出しになっています。
異なったアルミニウム合金をアルマイト処理した場合、前処理や電解条件を同一にしても、アルマイト皮膜は仕上がりの光沢、発色が異なります。
アルミ以外の金属(鉄・真鍮・ステンレス等)はアルマイト処理中に溶けてしまうので、ヘリサートやリベットなどは処理後に加工しなければならない。
また、溶接盛り部分をグラインダーなどで削ると鉄が沈着したり、高熱によりアルミニウム組織に変化を与え色むらの原因となることがあります。