作業に入る前に、スターティングモーターの構造・部品番号とスターターリレーを参照してください。
右端がGSX-R1100(GU74A)用モーター |
右端が、今回ヤフオクで105円で入手した、GSX-R1100(GU74A)用モーター。R1100のいちばん最初の型です。中央は俺が乗っている750S1用の中でもたぶん最初期のもの、左はアニバよりも前の型の1100カタナ用ですが、いつごろのかは不明。
数年後に何用なのかわからなくなってしまう前に(そういうのがうちにはいっぱいある)、マジックで車種名を書いておきましょう。
R1100用と中央の750カタナ用と比べてみると、外寸はほぼいっしょ。特にボディの外寸は同一といっていいでしょう。期待が高まりますが・・・
シャフト径が違う。R1100のほうが細いです。これで、コイル部分は使えないことが判明しました(涙
胴体が黒いのは、サビやヨゴレではなく、こういう色のメッキ(緑クロマートか)だと思う。
R-750用の配線にコルゲートチューブをかぶせてあるところが、カタナより後のモデルであることを物語っています。
カーボンブラシと、ブラシホルダー |
後部のフタを開けたところ。
いっちょまえに、ベアリングが付いてやがる。
カーボンブラシのカスが少ないので、消耗も少ないでしょう。
で、ブラシとブラシホルダーは、750カタナ用と同一といってよいと思います。
シャフト径が違っていても、接点部分(コンミテータ)の直径がほぼ同一なので、共通して使えます。おそらく、同時代のGSX-R750(GR-71F〜H)や1100も同じではないかと期待できます。
ただ、カタナ用のスターティングモーターは数種類存在し、画像のような4ブラシタイプではなく2ブラシタイプのものもあるので、注意してください。
ボディとブラシ 右がGU-74A |
ボディ部分とブラシです。
ブラシは、リレーからの配線をつなぐターミナル部まで含めたアッセンブリーです。かしめて圧着してあるので、分解は困難でしょう。ブラシを押さえるコイルスプリングは、単体で部品設定があります(今も入手できるかは不明だけど、これはどれもほぼいっしょだと思う)
両方とも、ノギスで計測しても、同一と言っても間違いないです。
さらに、コイルも、シャフト径以外はほぼ同一寸法です(コイルの巻き数や線径はわかりません)
もちろん、コンミテータの寸法もほぼ同一。
組みあがった、ニコイチモーター |
消耗しきった750刀のブラシを取りさり、R1100用をホルダーごと移植。
なんと、ぴったりです。
ブラシの残量もたっぷりあるし、これであと10年は大丈夫!
組立て時に、ブラシをセットするのに手間取ると思います(俺の手は2本しかないからね)。そんな時は、ブラシを押さえる渦まき状のスプリングをいったんはずし、コイルとブラシをセットしてからスプリングを取り付けると簡単です。
ちなみに、被覆されていないむき出しの銅線がマイナスでボディアース。黒いチューブで被覆されているのがプラス側の導線で、ターミナルにつながってます。
まだ車両に取り付けてテストしてません。たぶん大丈夫だと思うけど。
以前から気になっていたBMW K100RSのスターティングモーターを入手しました(K100RTも同一だと思う)
画像を見る限り、ほとんどカタナのと同じに見えたし、だいたい同年代(83年発売)のバイクなので、互換できる可能性が高いと踏んでずっと狙ってましたが、使えるかどうかわからない物に大金を投入できないので、なかなか落札できないでいたところ、今回運良く110円で落札。
左から、K100RS 1100S 750S |
左端のが、今回入手したBMW K100RSのモーターです。BMWらしく、ハデで高そう(笑)ですが、デンソー製です(いまどき、日本製の部品を使ってないバイクなんて、まず無いでしょう)
面白いのは、製造元の日本電装のステッカーが裏側に貼られているところ。わざと見えないようにしてるんでしょうか。ま、どうでも良いことだ。
んで、中央の1100Sと、外寸がほぼ同じなのがわかると思います。実際に各部を測定しても、同一と言っていいでしょう。エンジンに固定するためのボルト穴の位置もピッチも同じだし、ターミナルの位置までいっしょ。
別メーカーのバイクなのに、ここまで同じとは思わなかった。
K100RSのカーボンブラシ |
K100RSのカーボンブラシです。
特にどうってことなく、フツーです。
消耗が少ないので、あと5〜10年は使えそうです。
このあたりに、BMWオーナーの使用状況が良く表れていると思います。
このカーボンブラシは消耗品なので、定期的な点検と交換が必要です。消耗しきるとカーボン内に埋め込んである配線がむき出しになりコイル側の接点を削り、モーター全部交換となります(高いです)。しかし、内部の部品が単品設定されていない車種も少なからず存在するので、こういった細かい部分の互換性が重要になってきます。
できることならば、生産から10年目を迎える前にチェックしたいものです。
ブラシホルダーの周囲にやたらと切り欠きが多いのは、このベース部分は使いまわしが多いことの証でしょうか。
ちなみに、カーボンブラシの消耗は摩擦による消耗よりも、ブラシとコンミテータとの隙間で発生する火花による消耗のほうが大きいらしい。
左がK100RS、右が1100S |
見てわかるとおり、内部の部品もほぼいっしょです。
各部の寸法も、いっしょ。
違いがあるとすれば、コイルの前後軸受け間の間隔ぐらいでしょうか。しかしそれとても、スラストワッシャの調整で収まる範囲でしょう。
あ、もひとつ、大きな違いがあります。
それは、カーボンブラシの位置が180度ずれているところです。つまり、回転方向が逆です。ブラシホルダはカタナ用を使いましょう。
左GSX-750S3、右GSX-750S1 |
750カタナS3のモーターも手に入れました。100円でした。
俺の場合だけかもしれませんが、こやって直接部品に当該車種を書いておかないと、そのうちわからなくなってしまうことが多いです
左がGSX-750S3、右がGSX-750S1です。
同じメーカーの同じシリーズだし、見た目も良く似てますが、互換性はほぼ無しでした。
残念
左から、K100RS K75S |
ふとオークションで見っけた、BMW K75のモーター。BMWのマークが、何と言いましょうか・・・
んでオークションで見た瞬間、「K100といっしょだ」と思って100円で入札したら、そのまんま落札となってしまった(誰か競れよ)
両方ともデンソー製で、番号もいっしょ。K100用がゴールドに輝いてるとこが面白い。やっぱ差をつけたんでしょうか。
しかし、「SDK」って、なんなんでしょう。松竹歌劇団みたいだ。
再生部品ってこと?
マイナス側のブラシが、180度逆 |
GSX-1100SとBMW K75Sのセルモーターのブラシ部分
プラス側のブラシは同じ位置ですが、マイナス側は180度ずれた位置にあり、回転方向が逆になる
つまり、ブラシだけ1100Sを使えば、残りは全部使える。
実際にブラシ部分のみを交換してK75のモーターを装着してみたところ、まったく問題なく使えた。
さらに、ブラシ位置が違うだけなので、カシメをはずせばブラシそのものも流用できるだろう。
部品表上では、プラス側は単体で部品が出るが、マイナス側はホルダーとのアッセンブリしか設定はない。
BRUSH (+) 31130-44110
BRUSH HOLDER ASSY 31132-44110
上記は、1983年の1100SDの部品番号です