実を言うと、今までのGSX-R750のフォークでじゅうぶんなんだけどね、歳をとると、あと何年バイクに乗れるんだろう、って考えるようになり、だったらなるべく早くやっちゃったほうが良いんじゃないかって思ったのさ。
んで、なんでGSF1200のフォークなのか、って言うと、「ほ〜ら、改造したよ〜、スゴイでしょー」ってんじゃなくて、見た目フツーってのを目指しているので、
倒立フォークじゃない
けどカートリッジタイプ(インナーピストン)
延長キットが要らない長さ
アクスルシャフトが太すぎない
ニッシンの4ポット90mmピッチのキャリパーにしたかった
ってことで、GSF1200になった。
ホイールは今までと同様に、GSX-R750(GR71)の18インチを使用。
ヤフオクでの相場はだいたい2万円前後だと思いますが、時には3万近くに競りあがることがあります。
フォーク全長は775mmほどありますが、インナチューブ先端が5ミリ程度少しテーパーになっているので、有効長は、約770mmってとこ。
インナチューブ径Φ43mm
フォークピッチ200mm GSX-Rは205mm
オフセット30mm
左右キャリパーの間隔は130mm GSX-Rは135mm
アクスルシャフト径Φ20mm
アクスル部分のフォーク内側の間隔、つまりメーターギアの端から反対側のスペーサーの端までの幅、は165mmで、GSX-Rと同じ。
同じGSF-1200でも後期の型や1250は、フォークブレイスが無い形となっているので、泥除けは直接フォークに取り付けるようになってます。
これらの型のフォークは倒立フォーク同様、ブレイスが無いぶんアクスルシャフトが太いので、使用するホイールによってはベアリング交換程度では取り付けることができないので、その点に注意が必要です。
バンディット1200は、フォークピッチが205mmとなってます。
ステム下部のベアリングも、違います。
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GSF1200のフォークは左の画像のように、トップキャップをはずした時、スプリングの力がトップキャップやスプリングシートにかからないので、分解組み立てが非常にやりやすいです。
特殊工具は、まったく必要ないです。
スプリングを押さえ込まなくても、キャップははずれ、キャップとロッドを分離できます。
組み立て時には、キャップをねじ込む時にちょっと力が必要ですが、400ccクラスのフォーク程度で、非常に楽です。
これなら躊躇することなく、オイル交換やオーバーホールができます。
抜き取ったオイルに銀色の粉が混じっていたら、アウターチューブ内部が削れた証拠です。
GSF1200の指定オイルは、どうやらショウワのSS8のようです。
♯10相当ですが、フォークオイルの粘度は同じ♯10でもブランドごとに違うので、ちょっと注意が必要です(違いなんてわからないけど)
スズキやヤマハのG10はショウワのSS8よりも、少しやわらかめです。
今回使ったのは、スズキのG10。
このスズキのオイル、色は真っ赤でカキ氷のイチゴシロップみたい。
ヤマハのと元は同じかと思いもしますが、値段はヤマハよりも300円ほど安く、1リットル入りで1350円でした。
ブランド | 番号 | 粘度 |
SUZUKI | G10 | 33.3 |
YAMAHA | G10 | 33.2 |
SHOWA | SS-8 | 36.8 |
KAYABA | G10S | 37.2 |
WAKO'S | FK10 | 33.6 |
入れたオイルの量は、左右とも465ccくらい。
ロッドとインナチューブを何度も上下させて、気泡の音がしなくなったら終了。
これでオイルレベルは、96mmくらいです。
標準は100mm程度です。
スプリングは、巻きが密なほうが下です(どっちでも良いような気もするが)
適当に走って、その後適当に放置して、もう1回オイルレベルを調整すれば、完璧でしょう。
やったことないけどね。
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ご覧の通り、GSF1200のステムシャフトは長すぎるので、このままではカタナのフレームには合わない。
20mmくらい、長い。
上下のベアリングの間隔を、同一寸法にしなくてはならない。
そこで、旋盤で削るために、シャフトを引っこ抜く。
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最初はプレス機で押そうと思ったけれど、知り合いの工場にあるプレス機はパワーが100トンもあり、そんなんで押したら壊れそうで怖い。
そこで、画像のように鉄材を溶接して枠を作り、シャフトを下に抜くための円筒形のゲタをはかせ、2トンのジャッキで押した。
ジャッキはトラックに付いていたヤツで、ホームセンター等でも売っているもの。
たまたま材料が転がってて溶接機もあったから、こんな大げさなものを作ったけど、その他の方法もあります。
たとえば・・・
アングルやチャンネルをボルトでつないで枠を作る・・・
ビルとビルの隙間を利用する・・・
家の基礎とブロック塀の間を利用する・・・
幅の狭い階段の両側のコンクリートの壁を利用する・・・
なんて手もアリかと思う。
そん時は、壁を壊さないように、厚い板や角材を挟んでね。
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で、抜けました。
ギギギって、ステムが割れるんじゃないかって音が数回した後、ベアリングともども抜けました。
画像ではわかりにくいけれど、シャフトの下端はフランジがあり、そこがステム本体に引っかかって、シャフトが上に抜けるのを防いでいる。
つまりシャフトは上には抜けないので、下へ抜くために「ゲタ」をはかせます。
当然、打ち込む時は下(裏側)から上方向になるので、もっと長いゲタが必要になります。
これで、GSF1200のフォークをカタナに取り付ける目処が立った・・・はず
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次に、メーターギアを加工します。
スナップリングをはずし、その下のワッシャと2本のツメ付きのリングもはずします。
分解したら、ホイールに接触しなくなるまで、本体の黒い樹脂部分をひたすら削ります。
ここは電動工具は使わず、彫刻刀で削ってヤスリで仕上げました。
硬くは無い樹脂なので、それほど労力は必要ないでしょう。
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ダストシールがはずれるまで削ります。
ダストシール外周部は、ちょっと削って直径を小さくします。
ホイールにかみ合う部品も削って、小径化します。
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彫刻刀とアクリルカッターを駆使して、さらに本体部分に溝を掘って、ようやく完成。
思っていた以上に削りました。
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元通りに組み立てて、ホイールにはめたところ。
ホイール中央部に、はまり込む形となります。
うまく削れば、この状態にフランジが付く形となったでしょう。
確認しなければならないことは、ギア本体中央部の金属のパイプ部分が、ベアリングにちゃんと当たっているかどうかです。
この部分はある意味スペーサーの役割を果たすので、ベアリングにしっかり当たっていなければなりません。
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NSK製の6004VVです。
末尾の「VV」は非接触ゴムシールであることを表し、NTN社製だとLLBという表記になります。
GR71Fのベアリングは6203で、寸法は内径15mm×外径42×厚み13ですので、シャフト径20mmのGSF1200のフォークに合すためには、内径が20mmで外径が42mmの物を使えばよいわけです。
6004は、20×42×12です。
ちなみに、GSF1200のベアリングは6204で、寸法は20×47×14mmです。
車種 | ベアリング番号 | 内径 | 外径 | 厚み |
---|---|---|---|---|
6004 | 20 | 42 | 12 | |
GSX-R750F | 6203 | 15 | 42 | 13 |
GSF-1200 | 6204 | 20 | 47 | 14 |
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まずは、古いベアリングを叩き抜きます。
中のスペーサーを棒でグリグリこじって少し脇に寄せて、ちょっとずつ叩いて抜きます。
当然ですが、シャフトよりも細い棒が必要で、棒の先端は角が立っているほうが、引っ掛かりが良くて楽に抜けます。
ベアリングを穴に打ち込む際は、周囲(外輪)のみに打ち込む力がかかるようにします。古いベアリングを重ねて打つのは、間違いです。なぜなら、ベアリングは中央部の内輪がほんのちょっとだけ高いからです。
軸に取り付けるときはこの逆で、内輪だけに打ち込む力がかかるようにします。
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片方に新しいベアリングを打ち込んだら、忘れずにスペーサーを入れときます。
アクスルシャフト径が変わるので、この左右のベアリングの間に入っているスペーサーも交換します。
長さはGR71Fに合わせて78mm必要ですが、GSF1200の物は74mmしかないので使えません。
そこで、750カタナ用(20.5×28×88)のリアホイール用のスペーサーを切り詰めて使いました。
ホイールの穴は、このスペーサーが入るギリギリ程度の直径です。
他のスペーサーを切り詰める代わりにGSFの物を使い、長さが足りない分はワッシャ等を入れて調整しても良いかもしれませんが、スペーサーが入る穴はそれほど大きくないので、ワッシャの外周を相当削る必要があるかと思います。
当然ですが、組み立てた時に、ワッシャがホイールに接触しないようにしなければなりません。
GSF-1200のベアリングの厚みは14mm、一方今回使うベアリングの厚みは12mmしかないので、左右合計で4mmもホイールの幅が狭くなるわけですが、その分スペーサーが4mm長くなるので、うまいこと同じ幅になります。
この部分の幅が同一なら、メーターギアとホイール右側のスペーサーとアクスルシャフトに同じものを使えば、ホイールセンターはちゃんと出ることになります。
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この左側のスペーサーは少々直径が大きいので、周囲を削ります。
本来なら外径47mm用のものなので、計算上は5mmほど直径を小さくすれば良いわけです。
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上の図のように、アクスルシャフトを締め付けるトルクは、フォーク・メーターギア・ベアリングの内輪・スペーサーの赤い部分だけにかかります。
ホイールには直接その力がかからないようにしなければなりません。
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新たに溶接してもらった、ストッパー。
現物合わせで微調整するために、大きめに作ってある。
ベアリングレースをはずさないまま溶接したが、特に問題はないと思う。
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俺のカタナの場合、フォークが最初に接触するのはオイルクーラーなので、クーラーを取り付けて作業を進める。
ちょっと削ってはフォークを取り付けて確かめ、フォークをはずしてまた削ってはフォークを付けて確かめ、ここまで削った。
最終的には、ステムシャフトのロックナットを締め上げて確認します。じゃないと、位置がずれてしまう。
で、この後塗装して、この部分は終了。
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あと5mmくらい余裕があるけれど、削りすぎたらとても面倒なことになるので、このあたりで終了。
コアガードの金網を取り外せば、もうちょっと舵取り角度を増やせそうです。
使用している部品によっては、ハンドルだのタンクだのカウルだの、部品を全部取り付けてからじゃないと、どこか接触するかわからないこともあるでしょう。
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カタナのロックは、キーを差し込み棒を押し出してステムシャフトの穴に入れる構造になっているので、ステムシャフトのしかるべき位置に穴を開ければよいわけです。
最初に、穴を開ける位置にマーキングをします。
キーを突っ込んで、出てきた棒の先に指等で塗料をなすり付け、
塗料が乾かないうちにステムをセットして、
再びキーを差し込み、棒の先の塗料をステムシャフトに付け、
シャフトに付着した塗料を目安に、穴を開ける、
という方法をとりました。
マーキングする際、ベアリングをセットしてロックナットを締め上げてやらないと、位置がずれることがあります。
それから、間違えて反対側にハンドルを切ってマークしないこと
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最初は5mmくらいで下穴を開け、次に8.5mmくらいで拡大。
ちょい位置がずれたので、ドリルでグリグリやってたらヘンな形になってしまった。
しかも、ちょっとでかすぎです。
ロックをかけても、5度くらいはハンドルが動いてしまう。
7.5mmくらいの幅で、上下に長い穴を開けられると良いでしょう。
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ディスクローターの左右の間隔が違うため、キャリパーとフォークの間にスペーサーを入れて調整します。
市販のものでは厚みが合わないので、アルミ板から切り出し。
当該サイズのワッシャを使って、下書きをすると良いでしょう。
ネジ穴は切り出す前に開けておかないと、やっかいです。
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ネジ穴を開けて切り出したら、削る目安としてのワッシャを前後に入れ、長めのボルトに固定します。
この状態で、だいたい丸くなるまで整形します。
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最後の仕上げは、ドリルにくわえて回転させながらヤスリ等で削ると、かなりの線まで丸くなります。
スペーサーなので、じゅうぶんな当たり面を確保できれば、問題はありません。
正確さが必要なのは、丸さではなく厚みです。
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削っては装着してチェックし、又削っては装着してチェック、これを繰り返しながら厚みを調整。
最終的には、3.6mm前後で落ち着きました。
左右で微妙に厚みが違います。
ホイールを手で回して、何処もすらないでくるくる回るようになりました。
キャリパーを取り付けるボルトは、スペーサーを入れたので5mm長くしてます。
フランジ付きのボルトではないので、ワッシャを入れました。
ボルトの強度を、ちゃんと合わせましょう。
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スペーサーを入れてキャリパーの位置がずれたため、普通のバンジョーだとフォークに接触するので、このストレートのフィッティングになりました。
ライン末端やバンジョーが小さなものを使用すれば、一般的な形のバンジョーでも行けるかも知れません。
ブレーキラインの長さは、GSF1200のノーマルよりもちょい長くて、800mmと850mmです。
ノーマルの長さのほうが、良いかも・・・
ライン左右2セットで、2万円コースですわ。
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GSF1200のフォークにGSX-R1100(GV73)のスピードメーターケーブルでは短いので、なぜか持ってたDR-Z400のケーブルを使用。
ジェベル250のケーブルも、同じ長さです。
見ての通り長すぎるし、抵抗も大きいような気が・・・
素直にGSFのを使うのが、賢明でしょう。
でも、ちゃんとメーターを回します。
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トップブリッジへの取り付けは、ブラケットの製作から。
純正品の一部を切り取り、新しく作ったブラケットと合体させます。
素材は、2mm厚の鉄L型アングルから切り出し。
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ブラケットは、アルミリベット4個で接合。
イグニションスイッチはブラケット裏側にして、スペーサー代わりのワッシャとボルトで固定。
このIGスイッチを取り付けるボルトがトップブリッジに接触したので、この後に頭の薄いものと交換しました。
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メーター本体もIGスイッチも、ギリギリブリッジには接触していません。
その位置にするため、メーターは多少前方向へ移動したけど、カウルやスクリーンには接触しません。
リベットが目立ちすぎるので、この後全体を黒く塗装し、すべての作業が終了です。
予想していたより、ずっと手間とお金と時間がかかりました。
やってみなけりゃわからないってことですね。
続きまして・・・
フェンダーの加工も見てね!
オイル量 | 514cc ABS車は516cc |
オイル粘度 | #10 |
オイルレベル | 101mm ABS車は99mm |
スプリング自由長 | 379.2mm(使用限度362.1mm) ABS車は376.5mm(使用限度362.1mm) |
ストローク | 130mm |
プリロード標準設定 | 5区分の下から2目盛り(アジャスタ上面が5) |
締めトルク(kg-f/m) | |
アクスルナット | 10.0 |
スイングアームピボット | 10.0 |
Fブレーキキャリパ取付ボルト | 3.9 |
アッパークランプボルト | 2.3 |
ロアクランプボルト | 2.3 |
アクスルのピンチボルト | 2.3(右フォーク下端の2本) |
フォークキャップ | 2.3 |
フォークシリンダボルト | 2.0 |
インナーロッドロックナット | 2.0(ロッド・トップキャップ連結部) |
Rブレーキキャリパ―取付ボルト | 2.6 |