充電、点火系 |
左の図は、フルトランジスタ・バッテリー点火方式の概念図です。
赤い矢印は、電気が流れる方向を表しています。
点火させる電気が、バッテリを経由せずにオルタネータから直接イグニッションへ流れる、フライホイールマグネット(フラマグ)方式もあります。
CDI方式は、イグナイタのかわりにCDIユニットになります。
電装品の基本原理 1 |
▶ オルタネータ(発電機) | ▶ イグナイタ | ▶ レギュレタ |
▶ C D I | ▶ イグニションコイル | ▶ レクチファイヤ |
▶ シグナルジェネレータ | ▶ スターターリレー | セルモーター |
ステータコイル |
Alternator
マグネットローターとステータコイルで構成され、電磁誘導の原理でもって発電しています。
だいたい、エンジン左下側に付いてるかな。
オルタネータカバーをパカって開けると、カバー側には放射状に沢山のコイルが並べられたステータコイル(Stator coil)と、エンジン側には複数の永久磁石を円く並べたローターがクランクシャフトに付いてます。
コイルは3個一組でそれが5,6組はある。それらに混じってひとまわり大きいコイルがあったらそれは点火用のコイルで、マグネット点火方式のバイクです。また、他よりも小さなコイルが混じっていたら、それはCDI用の点火タイミングを決めるピックアップコイルです。
バイクによっては、一つ一つのコイルがそれぞれ充電用、点火用、照明用、などと分かれているものもありあます。
バッテリーレス車などはたくさんの電気はいらないから、コイルが少ししかついていません。
このコイルとハーネスを接続する端子部分が焦げていたら、それは電気抵抗が原因なので、端子をアルミ製の厚くて大きなものに交換すれば焦げなくなります。
マグネットロータ |
ローターはステータコイルをすっぽりつつむようになっていて、ローターには強力な永久磁石が複数並べられています。
こいつはクランクシャフトに直結されていて、ステータコイルの周りを衛星のようにグルグル回って、電気を作っています。
ローターはけっこう重いから、こいつを軽量化するとエンジンレスポンスが良くなって加速は向上して、慣性力が弱くなるからエンジンブレーキの効きも良くなります。
このローターが永久磁石ではなくて電磁石のものは「自励式」と言い、電磁石への電気の供給をレギュレターでオンオフして電圧を制御します。
カタナのように永久磁石のローターは、「他励式」と言います。
Ignitor
点火時期を決定する電子装置のこと。
半導体を利用した、一種のスイッチです。
ざっとこんな仕組みです。
フルトランジスタ方式は電流を遮断することによって、CDI方式は電流を急激に流すことによって、スパークプラグに火花を飛ばしています。
Capacitor Discharge Ignition
中古CDIの装着 |
シグナルジェネレータから来た信号電流を受けて点火タイミングを決め、CDI内部のコンデンサに貯めておいた高圧(200前後〜300V)の電流を、いっきにイグニッションコイルに流す装置。
たいていは、進角もCDI内部のICでやってます。
最新のものはスロットル開度センサーや排気ガスの濃度や温度センサーとつながっていて、点火タイミングを調節しているようです(ますますバイクがわからなくなってしまった)
ポイント→セミトラ→フルトラという発展がスイッチングの進化であるのに対し、フルトラ→CDIという発展は昇圧(電圧を上げる)方法の進化です。
まず長所として、
その一方短所としては、
などがあげられる。
そんな特質から、高回転エンジンや2サイクルエンジンにはCDI方式、低回転や低燃費を重視するならフルトランジスタ方式が向いています。
だから、エコカーやハイブリッドエンジンはフルトラに戻るんじゃないか、って言われています。
イグニションコイル |
Ignition Coil
コイルって言われているけど、実際はふたつのコイルを組み合わせた、そう、変圧器(トランス)のこと。
イグナイタ(CDI)から来た電気の電圧を、1〜2万ボルトに上げます。
プラグコードが出ている、太い円筒形の部品がそうです。電柱に付いている変圧器も、同じ仕組みと形をしています。
実際には、外側のコイルの中にもう片方のコイルが入る構造になっています。
純正品は、コイルとコードが一体になっているものが多いです。
プラグコードに触れたときビリ″ってきたらこの辺りからの漏電です。プラグコードやプラグキャップの交換、はめなおしだけで直ったら、不幸中の幸いでしょう。