ステンレス製50mm延長キット |
現在俺のカタナのフロントフォークは、'85GSX-R750F(GR71F)のフォークになってます。
このフォークの一番の問題点は、約7センチ近く短いってことです。おそらく、カタナのフォークはどの車種のフォークよりも長いんじゃないでしょうか。
んで、フォークが短くなると地面に対する角度がより直角に近くなります。そうなるとハンドリングが軽くなるっていうメリットがあるいっぽう、裏を返せば操縦性が不安定になるっていうデメリットもあります。さらに、GSX-R等のブリッジ(ステム)はオフセット(ステムシャフト中心からどれだけフォークが前に出ているか)が少なく、より不安定になります。
自転車のフォークを見てください。傾いているだけでなく、ホイールが前方に突き出すようにカーブさせて、安定性を確保しています。直進安定性重視のアメリカンバイクは、フォークを長く寝かせ前輪を投げ出すように大きく突き出させています。
そこで、とりあえずはフォーク延長キットを使ってみようってことになったわけです。
フォークが短いと、マッドガードがカウル下側の{ヒレ」に当たっっちゃうしね。
数年前から考えてはいたんだけど、やっと実行に移すことになりました。
顔見知りの鉄工所で、ステンレス製フロントフォーク延長キットを作りました。
既製品を買わずに、なんでわざわざ単品製作をしたかと言うと、いくらくらいでできるのか興味があったし、アルミ製では強度的な不安があったからです。だって、鉄でできた太いパイプをアルミで延長しようなんて、ちょっと怖くて・・・
思ったとおり鉄工所のオヤジは「アルミじゃ強度がまずいだろう」って言ったので、「鉄で作ってメッキをしようか」と持ちかけたら、「ステンにすればメッキはいらない」ってことになり、ステンレスでワンオフっちゅうことになったわけです。
フォーク延長キット図 |
だいたい右図のようなもので、50ミリ延長にしました。
上から長いキャップボルトをネジこんで、スプリングにプリロードをかける仕組みになっております。
キャップボルト埋め込み式にしたのは、見栄えもさることながら、あまり出っ張るとバーハンに当たってしまうからです。
インナチューブに入る部分は、ノーマルとまったく同じです(当たり前か)
ネジ込むボルトは、M12で首下90〜120の全ネジです。M10でも大丈夫そうだけど、念のためM12にしました。
ちゃんと面取り加工してあるとこが、ニクイでしょ?
ボルトについて、こちらを見てください
最大の問題は、プリロード用ボルトのところの気密性です。つまり、水の浸入ですね。
俺はグリスをたっぷり塗ることで対処しようと思っていますが、上部がハンドル等に干渉しないならば、普通の6角ボルトに平ワッシャとスプリングワッシャを入れるほうがいいでしょう。
ステンと生地(クロ) 右が全ネジ |
美観を考えるとステンレスボルトがいいのですが、価格の点に問題があります。
プリロードをかけるためには、90ミリ以上の長さのボルトが必要ですが、ものによっては奥までねじ込めない可能性があります。
強度を保つため延長キット側に30ミリはネジ山が欲しいところですが、長いボルトは下のほうしかネジが切られていないのが普通なので、ボルトを完全にねじ込めずプリロードがかかりません。
もちろん、上までネジを切ったボルト(全ネジ)はあるのですが、ネジ屋ならいざ知らずホームセンター等で手に入れるのは難しいでしょう。その上、M12ステンキャップボルトで首下90ミリ以上の全ネジとなると、1本1000円近くになります。
これへの対応の仕方は、普通の6角頭ボルトの全ネジにすれば、もっと安く手に入ります。クリップオンハンドルなら、こちらのほうが良いでしょう。
ステンレス以外ならばダイスでネジ山を切れますが、ステンはネジを切るのが難しいです。
キャップボルトで埋め込みにこだわるのなら、ステンではなく画像にあるような生地(クロ)にするという手があります。これなら強度は2倍以上あるし、200円前後で買えます。ただ、生地だけにすぐサビます。やはりグリス塗ったくりですね(笑
その他の可能性としては、生地のボルトにメッキをかけたほうがステンより安くなるかもしれません。
1個1万円もかかってしまいました(涙
これにプリロード用のボルト代がプラスです。
ほとんど既製品と同じ値段ですね。でも、どうしてもアルミはイヤだったので、しょーがないかぁ、ってことにしてください。
まず、延長キットを装着してからボルトをねじ込めばいいので、内側への出っ張りが無くなり装着は非常に楽になりました。
走った感じは、ハンドルの切り込みがぐっと減って、以前よりも安心してカーブが曲がれるようになりました。
ま、フォークオイルを変えたし、いつになくまじめに油面調整したからなぁ。
ってことで、成功です!
|
|
|